本と写真と珈琲が好き

書きたいこと、写真に残したいもの。思いつくまま、気の向くままに。

小樽・札幌・ゲストハウス その2

小樽2日目。

ゲストハウスとまやで目覚めた。

 

ゆうべは一番風呂をいただき、12ベッド満室でにぎやかな中「とまや宴」に参加した。

イタリア人のニコラをはじめ、年代も性別もまったくのカオスである。

一人旅でこういう宿に泊まるという人たちは、きっと「変わり者」という点で性質が一致しているのだろう。宿泊者は、たいていはすぐに意気投合してしまうようだ。もちろん、ほとんど顔を見せずに寝室に引っ込んでしまう人も居るし、そんなにワイワイやらずにおとなしくしてたって、それは自由だ。私はどっちかというと、後者。なんでもありなのがゲストハウスのいいところ。

宴会は12時ですっきりお開きとなった。

 

そもそもこの宿を知ったきっかけは、「フォト蔵」という写真共有サイトで知り合った、「火灯」(かがり)さんだ。手宮線跡地で毎年開かれている鉄道写真展のときにとまやに泊まったというブログ記事をみて、1度行ってみたいと思った。

最初に来たのは小樽雪あかりの路の時、その次は、2年前の年末。いずれも、冬。こんな季節に、しかもこんなに宿泊者が多いときに来たのは初めてである。

 

雑誌「スロウ」に紹介されたこともある。たしかに、スローな宿。

また、2年前だったか、NHKのニュースでも紹介された。ここは、「励ましの坂」という勾配20%以上の坂を登った先にあり、歩くだけでも心臓がバクバクいうほどの坂を毎年チャリで登ろうという無謀なチャレンジャーがいる。それをニュースで特集したわけだ。

 

とまやは、通称ベルさん・サリさん夫婦と、ゼンタ君、メイちゃんの4人という家族構成。

ベルさん・サリさんは、僕と同い年である。それぞれ浜松、広島出身の旅人で、最後に小樽の古民家に落ち着いてゲストハウスを始めた。右側の宿泊棟は、完全にセルフビルドである。すごすぎ。

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さて、今回お目当てだった手宮公園の桜は、予想通りというか事前の情報通り、もう完全に終わっていて、ただその代わりというか、とまや前の桜はちょうど泊まった日の翌朝に満開となった。

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朝食は、とまやに泊まる楽しみのひとつ。

魚、目玉焼き、納豆、味付け海苔、みそ汁。日本の朝飯ですなあ。これにギョウジャニンニクの醤油漬けまで出てきて、とにかくご飯が進む。3杯くらい食べただろうか。

イタリア人のニコラ君は、糸を引く納豆と格闘していた。

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ゼンタ君の号令で、庭でラジヲ(ヲが重要)体操が始まる。第2までやっちゃいました。こんなの、レコードであったんですね。スピーカー付きのプレーヤーは年代物。

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何の話からか、話は腹巻きの話になり、ベルさんが自分の腹巻きを引っ張り出してくる。自分で装着してみたニコラ君はすっかりハラマキが気に入ってしまい、「どこで買える?」と聞いてくる(もちろん英語で)。ベルさんが、ハラマキを買えるなんとか洋品店の場所を教えていた。昨日からみんな懸命にカタコト英語でコミュニケーション。というか、ほとんど日本語。スシヤ・ハシゴ・シマカゲ(飲み屋)とか言ってたし。

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この日はとにかくいい天気。桜は本当にきれい。

桜の下に作り付けられた滑り台の上からは、また違った視点が楽しめ、縁側に集まったみんなを見下ろすアングルで写真が撮れる。

サリさんもまたカメラ好き。カメラは伝説の名機ニコンD40を使っている。よくここから撮った写真を、ブログやFacebookにアップしている(その写真がなかなかどうしてすばらしい)。サリさんと話をしていると、だいたいカメラ談義になる。

庭では自撮り棒やレンズスタイルカメラまで登場し、しばしみんなで撮影大会。

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そして、この日はちょうどこどもの日。

近くに住む、建築業を営む通称「かものはし」さんは、桜の木の枝にブランコを作ってくれた。ほんとにあっという間に作ってしまった。手際のいいことこの上ない。

ゼンタ君もメイちゃんも、大喜び。

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その後お昼になって、その「かものはし」さんはお昼ご飯を食べに、南小樽方面へ向かうと言う。ついでに車に乗せてくれるというので、お言葉に甘えることにした。というわけで、荷物をまとめてとまやとはお別れ。この後、3時には札幌で人と会う約束がある。

 

事前に聞いていたが、向かった先のパスタ、いや、スパゲッティ屋さん(この辺はこだわりがあるらしい)「ぐるぐる」のマスターは、旭川の音次郎さんと昔からのなじみらしい。なんでも、音次郎さんの歌に衝撃を受けたせいで、その時していた日本一周の旅を中断し、北海道に住みついてしまったらしいのである。

音次郎さん、どうもその頃からただものではなかったようだ。

しばらく音次郎さん話で盛り上がり、ちゃっかり「ハレバレパレット」のチラシまで貼っていただくことに。ラッキー。

このお店、毎月1回、「満月ライブ」というのをやってるらしいですね。行ってみたい。

たらこスパゲッティ、おいしくいただきました。

そして、ご一緒したかものはしさんも、ログハウスを作るなかなかすごい人のようである。縁があれば、何かでお世話になりたいものだ。

 

余裕をもって1時半にはかものはしさんと別れ、ぐるぐるを出てすぐそばの南小樽駅へと向かう。駅前の桜が陽光で照らされてきれいだ。そして、札幌行きの電車に乗る。

 

つづく。