本と写真と珈琲が好き

書きたいこと、写真に残したいもの。思いつくまま、気の向くままに。

古民家カフェ

最初にここを知ったのは何の情報紙だったか、もう忘れた。

ずっと行きたくてうずうずしていた場所がある。

深川の古民家カフェ「花さんぽ」。

 

深川駅のすぐそば、駅を出て旭川方面に少し歩いた場所にその店はある。

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最近では、古い物とか、古い建物にとにかく弱い。

「人間が古くなったからだろう」と言われそうだが、そこは強く否定できないのが困ったところ。年月を重ねたものの味というか良さが、年々ますます心に沁みるようになってきてしまった。

 

だからといって、ほんとにただ古いだけのものが好きかといったら、それも違うと思う。単に昭和を焼き直しただけのものなら、ただの懐古趣味として見向きもしないだろう。古いものを新しい視点でとらえ直し、再構成しているからこそ、きっと魅力を感じるのだと思う。

 

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確かに、一目で昭和を思い出させる佇まいではある。しかし、こういうおしゃれさが昭和にあったかと言えば、それもまた違うだろう。ただ単に古いだけのものと、古さを新しい視点からとらえて再構成したものは、根本的に違うのだと思う。見た目のインパクトにだまされてしまうが、そこには絶妙な洗練とバランスがあるのではないだろうか。「変わらないために、変わり続ける」というのはそういうことじゃないかと思う。

 

ちょうどお昼頃に着いたが、お客さんはいない。ついにお店を出るまで、1人の来客もなかった。平日とはいえ、ちょっと心配になってしまう。

座敷の端の席についた。そこからみた景色は、こんな感じ。白黒にすると、まったく昭和の写真と勘違いしてしまいそうだ。ただし、ファンヒーターがなければ。

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座敷はこの他にももう一か所あって、意外に広い店内である。店内の音楽は、古いミニコンポ(90年代のミニミニコンポではない)から流れていた。あるものはとことん活かすというスタンスなのかもしれない。そういえば、今でもうちの押し入れにはパイオニアのミニコンポが1台眠っているな。

 

こんな建物に似合わず、メニューは意外と洋風。パスタも捨てがたかったが、この日はハンバーグを食べることにした。みそ汁がついて中途半端に和風なところは、洋食屋というよりも定食屋風というべきか。でもとても美味しかった。

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食後のコーヒーも美味しくて、しばらく読書を楽しむ。いやー、落ち着きますね。

 

さすがに店の奥まで写真を撮らしてもらうのは悪いかと思い(最初に撮影OKかどうかの確認はとってあった)、肩にカメラをぶら下げて帰ろうとしたところ、「あちらは撮らなくていいですか?」と向こうから声をかけてくれた。口数の多い店主ではないが、さりげない心遣いにちょっと感動。お言葉に甘えて何枚か撮らせていただく。

 

このカウンター席も、萌えポイントのひとつ。今度来たときはここに座ろうと思う。

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先頃引退した、JR北海道の特徴的な赤い鈍行列車。精巧なジオラマが飾ってあった。

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店主はカエル好き?カエルの置物がたくさん置かれたカウンター。

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深川はいつもは札幌へ行く途中に通り過ぎるだけの場所だったけど、これで時々行く理由ができた。深川の街も、よく見るとなかなか味わい深いものがある。それにこの周辺の田園風景は、何ともいえない良さがあるのだ。初夏の頃の田んぼの風景は、毎年通るたびに心引かれるものがある。深川発・増毛終点の留萌本線は、実は全国の鉄道マニアにもかなり人気の路線らしい。夏になると、明らかに単なる移動手段ではなさそうな客が乗降客の半分位を占めるようになる。

 

深川は旭川からは車で40〜50分の隣町。気軽にドライブできる距離だ。気が向いたらまたふらっと来てみよう。