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本と写真と珈琲が好き

書きたいこと、写真に残したいもの。思いつくまま、気の向くままに。

クリスマスレクチュア 2016 in Biei

理学博士佐治晴夫さんのクリスマスレクチュアを聞きに、美瑛まで行ってきた。

 

佐治晴夫さんはあの茂木健一郎さんの師匠だそうで、かなり有名な学者さん。

1970年代、あのボイジャーに搭載された人類の記録を詰めたレコードを作成したお方、らしい。

恥ずかしながら佐治さんの名前を知ったのは、つい最近のことだ。

 

今年の夏、美瑛市街に天文台のある博物館、丘のまち郷土学館「美宙」(みそら)が完成した。

佐治さんはそこで天文台長を務められている。

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レクチュアは夜からの予定だが、せっかく行くのならば「美宙」も見たかったので、昼過ぎから出かけて美宙へ向かった。

入ってみると、とても居心地のいい空間。

最近のハコモノはあまり好きではないけれど、ここなら長居できそうな気がする。

 

入館そのものは無料。

天文台使用には、町外からの来館者は200円かかる。

せっかくなので料金を払って見ることにした。

札幌近郊で大雪に見舞われたこの日も、旭川周辺ではおおむね快晴。運が良かった。

 

天文台に入ると、なんとなんと、佐治さんその人がいた。

ちょうど雲の切れた青空の向こうに、こと座のベガが見えると言う。

佐治さんはとてもフランクに話してくれる、にこやかでおだやかなおじさんという印象であった。

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望遠鏡を通して見た、昼間のベガ。

肉眼ではぜったいに見えないものが、レンズを通して見られるのは不思議な感覚だ。

くっきりした点ではなく、線香花火のようにちりちり光っているように見える。

写真はピンぼけのようにも見えるが、そうではない(たぶん)。

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お話会の会場に向かう前に、佐治さんは施設に置かれているオルガンを弾いてくれた。

もともとは音楽の道(その後は数学者)を志していたとのことである。多才な人のようだ。

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さてまだたっぷり時間がある。会場に向かう前に腹ごしらえ。

美瑛道の駅の地下にあるカフェにて、焼きカレーをいただく。

同行者の錦さんのおごり。ガソリン代の代わりだそうだ。

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そして夜はいよいよ会場である町民センター「多目的ホール美丘」へ向かう。

結構広めの会場は、見る間に人で埋め尽くされた。無料とはいえ、予想以上の人気だ。

 

宇宙人のかぶりものをかぶって現れた佐治さん。

会場の笑いを誘う。そのままピアノを一曲弾く。

ユーモアを忘れない素敵なおじさんだ。

 

話してくれたのは、宇宙の話。時間感覚の話。

以下、資料としていただいた最新新聞記事からの引用。

 

一日を長く?生きるコツは、新鮮な驚きと出会い続けること、言い換えれば、新しいことを学び続けること、新しい人との出会い、旅行、新しいことへのチャレンジなど、驚きのまなざしを忘れていないことに集約されるといってもいいでしょう。

 

最近時間が飛ぶように過ぎる自分にとっては耳の痛い、しかし説得力のある言葉。

年齢を言い訳に、いろんなことをあきらめている自分。これではだめだと思った。

子供のような時間を生きたい。瞑想的な生き方がしたい。

 

そして、三人の宗教者の言葉を引き合いに出して、今この瞬間を生きることの大切さを説く。 

 

佐治先生の持論。それは未来が過去の価値を決めるということ。

過ぎたことは変えられないが、これからどう生きるかによって過去の意味合いは変えることができる。

つまり、未来を変えることによって、過去は変えることができるのだ。

 

過去は存在しない。

未来は存在しない。

存在するのは現在だけ。

 

過去への後悔も、未来への不安も、すべては今この瞬間に起こっていること。

過去も未来も忘れるくらい今を楽しんで生きれば、後悔も不安もそこには存在しない。

 

今、自分が痛いくらい必要としている言葉だった。

 

そして、朗読してくれた金子みすゞの詩。

 

青いお空のそこふかく

海の小石のそのように

夜がくるまでしずんでる、昼のお星はめにみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。

 

見えないものでも、それはそこにある。あの昼間に見たベガのように。

それは知らないうちに知らないところで、つねに自分に影響を与えている。

そのことをちゃんと忘れずにいることは、とても大事なことだと思った。 

 

佐治さんの知人でもある村田和子さんのお誘いで行ったクリスマスレクチュア。

冬至まで10日あまりの一番心細い季節に、大切な言葉の贈り物をもらえて良かった。

帰り際、最後にもう一度ごあいさつをさせていただくことができた。

心からの「ありがとう」が言えた気がする。